新着情報
口腔外科・学術講習会
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【口腔外科・学術講習会】
先日, 日本歯科大学附属病院における医療連携学術講習会に出席しました。
テーマは「口腔外科は地域医療のパートナー~役割分担で安心・安全な医療を~」等々, 准教授S先生による分かりやすい講演でした 【写真1】
私が本学在学中, S先生とは学籍番号が前後しており, 特に附属病院での1年間の臨床実習(登院)時には同じブロックでしたので, 瞬時楽しい思い出がたくさん蘇りました。努力家で人格的にもすばらしい出世頭のS先生の今後のご活躍を祈念します。
さて本学口腔外科は, 患者さまの約80%は紹介された方の治療に当たっているとのことなので「誰かいないかなぁ」と考えていたところ, 当院外来の60歳代女性の患者さま【写真2】が治療中であったので、早速S先生にご高診をお願いしました。
ご紹介した患者さまは, 何軒かの医院を受診され 平成25年2月頃から当院で継続的な治療を受けられており, 初診時に比べると口内の症状はだいぶ回復しました。
本件, ほほの粘膜に「扁平苔癬(へんぺいたいせん)」【写真3】の疑いがあり, 大学病院での治療となると「白板症(はくばんしょう)」等との鑑別を図るため, 病理組織検査(生検)が必要になるかもしれません。
後日の診断報告書に対応し, 当院でもしっかり治療していきたいと思います。(2013年7月)
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かみ合わせと動脈硬化との関係
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【かみ合わせと動脈硬化との関係】
奥歯のかみ合わせが悪いと、動脈硬化につながる可能性があることが、高齢者の健康長寿を研究している大阪大学や東京都健康長寿医療センターなどの医療チームの調査で示されました。
悪いかみ合わせは、あごの運動のバランスを崩し、筋肉に異常な緊張が生まれます。そしてその緊張の繰り返しにより、頭を支えている筋肉にも影響を及ぼし、約6Kgもある頭の位置がずれて、頸椎(けいつい)や脊柱のずれも生じます。その結果、様々な体のバランスが崩れトラブルも起きやすくなります。【左写真のクリックをお願います】
また、筋肉の緊張により血管も圧迫され血流も悪くなるので、治癒力や免疫・抵抗力も弱くなり、病気にかかりやすくなります。
かみ合わせが原因の1つでもある歯周病が、細菌感染や慢性炎症を通じて動脈硬化につながることを示す研究は過去にもありましたが、歯のかみ合わせ自体が、心筋梗塞や脳卒中につながる動脈硬化のリスクになることは今回初めて提示されました。
審美的な美しさだけではなく、健康的な口内環境を形成することはとても大切ですので、みなさん是非とも時間をお作りいただき、定期的な歯科健診を受けていただければ幸いです。
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目覚めの一服、最低でも30分は我慢しましょう
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【目覚めの一服、最低でも30分は我慢しましょう】
調査は、全米健康栄養調査に参加した約2000人の喫煙者から採取した血液サンプルと喫煙習慣を分析。その結果その日最初のたばこを起床後30分以内に吸う人は、31分以上経ってから「最初の1本」に手を伸ばす人よりも、たばこ特有の発がん物質の血中濃度が高かったとのことです。研究者は「起床後にすぐたばこを吸うと、より深く吸入するため肺がんや口腔がんの発症リスクを高める可能性がある」と分析しています。
歯科口腔科領域におけるデータでは、頭頸部がんのうち、起床後30分以内の「最初の1本」と最も強く関係したのは咽頭がんでした。1時間以上経ってから吸う人の発症リスクを1とした場合、 2倍以上も発症リスクが高まることが示されています。その他、上あごにできる「口蓋がん」の発症リスクが1.87倍、舌の真下にできる「口腔底がん」は1.76倍でした。
日本人の口腔がんは全がんの約2%と低い率ですが、50~60歳代の比較的若い年齢で発症します。口の中という狭い場所だけに、治療後は顔面の変形や食べた物がうまく飲み込めずむせたり、言葉を失うなどの大切な機能が損なわれることもあります。
厚生労働省の研究によれば喫煙ー非喫煙者間の平均寿命の差は、男性で3.5~5年位でした。起床後すぐたばこを吸う人は「ニコチン依存症」の要素が強い為、致死的な肺がんの発症リスクも必然的に上がります。この数年、日本人のたばこ離れは急速に進み、全男性の喫煙率は35%を割り込んでいます。(2012年度) まずは寝起きの30分、我慢できるかが禁煙への第一歩となり寿命も徐々に延びてきますので、みなさん健康維持のため是非とも禁煙しましょう。
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歯と口の健康週間 (6月4日~10日まで)
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【歯と口の健康週間】
平成23年8月、歯科口腔保健法が初めて制定されたことにより、長年親しまれてきた「歯の衛生週間」が、平成25年度より「歯と口の健康週間」という呼び方に変わりました【上の写真】。これは歯のみではなく、口腔およびその周囲等の健康を推進していくことが目的とされています。
今年の標語は「健康は食から歯から元気から」です。かつては「6歳臼歯を大切に(1930年度)」~「歯をみがこう それが我が家の合言葉(1970年度)」~「広げよう「噛(か)む」から始まる健康づくり(2010年度)」等など、種々時代背景が感じられますね。
口内の健康を脅かす最大の問題は歯の喪失であり、その原因のほとんどは、歯周病(約40%)とむし歯(約30%)です。日ごろの手入れの仕方で歯の寿命【下の写真】も違ってきます。小さなお子さまからご高齢者の方まで、口内の状態は十人十色ですよね。
ご自分の歯やお口に合ったみがき方をすることにより、1本でも多く歯を保つことができます。またいつまでもおいしく食事を摂れることにより、全身の健康維持、そして豊かな生活にもつながるかと思われます。
歯みがきと口腔ケアはとても大切ですので、皆さん習慣化させ、日々健やかに過ごせますようにがんばりましょう。
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訪問診療【その14】
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【訪問診療】(その14)
主訴(特に気にされている症状)は, 上の入れ歯(義歯)が不安定で食事中に落ちてしまうとのことです。
先ず高等看護師による血圧測定(写真1) を行ってから歯科診療に入ります。
粘膜変形の是正, 及びむし歯や歯周病の処置等(写真2)も施し, 口内が落ち着いたタイミングを見定め,患者さまのご要望にも対応して材質のしっかりとした入れ歯をお作りしました(写真3)。
患者さまは, 循環器内科医であった私の亡き父の友人医師(※私が歯科大学の学生時代からご厚誼いただき、当院開設時にも激励いただいた元.世田谷区医師会所属の救急外科病院・院長先生)の実妹さんであり, 遅れ馳せ僅かながらでも恩返しできればという思いで, 現在も口内のコントロールも兼ねて加療中でございます。
入れ歯の吸着もよく(最初は取りはずすのに苦労されたみたいです),しっかりと食事が摂れるようになりました。よかったですね。義歯装着・調整後も安定しているのでとてもホッとしました。(2013年5月)
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