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医療連携学術講習会に出席しました

 先日日本歯科大学附属病院にて「生涯を通じておいしく食べること」をテーマにした学術講習会に出席し、口腔介護・リハビリテーションセンター長の菊谷武先生(日本歯科大学大学院教授)のお話を拝聴しました。
   いつまでも楽しく口から食事を摂れることは、誰もが願うことであります。しかし食べる機能に合わない食事は、窒息や誤嚥性肺炎といった命に関わる状態を招くこともあります。脳血管障害を発症することにより摂食嚥下障害が生じやすく、また負の環境要因として筋力の低下などに伴う「不適切な食環境」に起因し、かみ合わせ支持の喪失等の口内の諸問題・うつなどの心理的状態・独居などの社会的問題・多くの併存疾患などが形成され、その結果低栄養状態にもなりやすく生活機能のバランスが低下します。
  日本人の死亡の第5位は不慮の事故であり、不慮の事故のトップは窒息によるものです。咀嚼(そしゃく)機能に合わない食べものによる窒息死は増加していますが、口内のミキサー状態が改善された人の窒息の危険度は、前者と比べ3年間で約25%も減少しているというデータもあります。しっかり食べられることにより体重も増え、生命予後にも関与してきます
  多歯時代といわれるように「8020運動」達成者が現在2割を超えており 、在宅での口腔ケアの重要性が問われる時代でもあります。病院から在宅へ・施設から在宅へ・医療から介護へ移行のさ中であり、当院では今後もみなさまの口の中の健康維持のため、積極的に訪問診療をおこなってまいりますので、よろしくお願いいたします。
 (写真の1枚めは今回会場となりました日本歯科大学附属病院です。当日私が在学中種々お世話になりました恩師や運動系クラブの諸先輩先生と久しぶりにお会いでき、とても有意義な時間を過ごせました。深謝申しあげます。2枚めは平成24年10月開院予定であります「口腔リハビリテーション・多摩クリニック」の画像でございます) (2012年5月)

桜が満開です 

【桜が満開です】 
東京の桜(ソメイヨシノ)が満開です。4月8日医院から車で約20分かけて「世田谷区立砧公園」まで家族とともに春爛漫のその瞬間を満喫してきました。隣接しています総合運動場の桜の花もパワフルに全開しています。私らの両サイドの団体さんは、バトミントンで体を動かしたりかくし芸的なゲームや、メンバーの誕生日に便乗しサプライズケーキを用意したまではよかったのですが、メンバーの女性が隣の席の男性の顔に突如塊りごとそのケーキを・・・・・したりと大にぎわいとなり、花見以上にひときわの解放感に浸ることもできました。桜真っ盛りですが、酒にのまれる花見客が続出しているそうです。イッキ飲みや大量飲酒を避け、飲み過ぎと感じたならば潰れたふりをして自分を守るくらいの気持ちで、みんなで楽しい時間を共有していきましょう。今年の桜は例年以上にまぶしく,とてもきれいで感激しました(2012年4月10日)
 

訪問診療【その7】 

【訪問診療】(その7) 
  患者さまは、ホームページ経由で施設のスタッフからご依頼いただいた80歳代後半の女性です。肺炎と認知症に罹患しており、口内は右上の歯がゆれて頬にまで腫れが出てきているとのことであり、ご利用されているディサービスの施設で診療を行いました。写真のとおり、右上奥歯口蓋(こうがい)側歯肉に浸潤硬結が触れ、カリフラワー状の大きなできものが形成されております。ご家族の了承をいただいてから、急ぎ都内の歯科大学・口腔外科で精密検査を受けられました。現在は、総合病院・内科にて入院加療中です。(※CarcinomaStage4・T4N2M1の症例です) (2012年4月)

訪問診療【その6】

【訪問診療】(その6)  
  今回は、ケアマネージャーさんにご紹介いただいた87歳の患者さまです。若いころ肺結核を繰り返し、そして関節リウマチ脳梗塞にも罹患し、その後遺症等により継続的な歯科外来受診が不可能となったので、週1回在宅で診療を行っています。歯周病で歯の揺れが大きくなり、【訪問診療】(その5)の患者さま同様、麻酔後抜歯を行い、他の部位の残根歯の処置も施しました。右上犬歯の揺れは繰り返しの処置でおさまり、新しい義歯のバネを掛けても残された最後の1本の歯は、今でも元気な状態をしっかり保っています。体調不良により、義歯や口内の管理がおろそかになったためか、写真左下部分のように下顎義歯の舌側に歯石がつき、舌ざわりにも支障をきたしていました。これは「デンチャープラーク」といわれるもので、即日取り除きザラザラした不快感もきれいになくなったので、毎日食事がおいしく摂れるようになりました。 「口は健康の入り口、歯は消化器系の入り口」ですので、皆さんあきらめずにがんばりましょう。(2011年12月)
 
 

訪問診療【その5】

 【訪問診療】(その5)   
  ケアマネージャー(介護支援専門員)さんが3つの歯科医院をご紹介し、ご家族と相談のうえ当院で診療させていただくことになった86歳の患者さまです。脳梗塞後遺症で右半身麻痺が残り外来受診が不可能なので、週1回在宅で診療を行っています。歯周病で歯が抜けてしまい、バネが突び出た不適合な義歯を長年無理して使ったためか、下顎の歯はボロボロでした。特に左下犬歯の揺れが大きく、誤って飲み込む危険性が高かったので麻酔後抜歯を行い、他の部位の残根歯の処置も施しました。写真の右部分は、口の中の型採りを行い上下総義歯をお作りした画像です。患者さまのご要望も可能な限りとり入れた上顎総義歯は、粘膜との吸着もとてもよいものが出来あがり、かみ合わせを調整し今ではかたいものも普通においしく食べられるようになりました。明るく元気な奥さまのサポートにも,深く感謝申しあげます。本当によかったですね (2011年12月)


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