新着情報
新旧往診車のおしらせ&世田谷ナンバー
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【新旧往診車のおしらせ】
訪問診療で長年使い、苦楽を共にしてきた当院の往診車が換わりました。
旧往診車(ラウム)【写真1】は平成10年登録で仕事等でほぼ毎日使っていましたが、法的な車検を通っても故障が多く、その後のメンテナンスも追い付かず、人間でいえばご高齢で不整脈等のオンパレードを伴い、とても危険な状態でした。
新往診車は、以前と同じコンパクトで機能的にも使いやすいトヨタ車のポルテ【写真2と3】を納車しました。運転席サイドは2ドアーですが、助手席サイドは自動のスライド1ドアーなのでオープンスペースも取れやすく、ご高齢者をお乗せする際はとても便利ですね。 今後はこの新しい車で, 皆さまのご自宅や施設まで訪問診療にお伺いしたいと思いますので, よろしくお願いします。
【世田谷ナンバー】
8月2日、国土交通省は、「ご当地ナンバー」制度について、新たに「杉並」「前橋」「平泉」「郡山」等の導入を決定しました。この制度導入により、これまで「会津」「つくば」「金沢」「伊豆」「富士山」「倉敷」等が誕生しています。しかし「世田谷」に関しては一部地元住民が反対を唱え、国交省を相手に導入をやめるよう係争となりましたが先日棄却され、「世田谷ナンバー」が正式に決まりました。地域振興や観光振興のためにも、私が生まれ育てられた街・世田谷がさらに活性化してもらいたいと思います。 (2013年11月)
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訪問診療【その16】
訪問診療【その15・抜歯編】
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【訪問診療】(その15)
今回は神経内科ご専門の先生からご紹介いただいた90歳の女性です。ご高齢に伴い内科的にも色々な疾患をお持ちで,足腰が弱く継続的な歯科外来受診ができない為, ご自宅で治療いただいております。
バネが突び出た不適合な上下義歯をなおし, 取り急ぎ噛めるようにしながら同時進行で新しい義歯をお作りしました。
歯根が骨の中にしっかり植立している歯は, 残根(ざんこん)のまま維持し口腔ケア等で衛生状態をコントロールしましたが, 経年的に歯周疾患等に起因して徐々に骨レベルが低下し, グラグラ揺れる歯が生じました。病的な歯周ポケットも深く, 膿み状の分泌物も出て保存不可能となったので, 本日左上小臼歯を抜歯することにしました。
内科的に抜歯の禁忌(きんき)症がないケースなので, まず高等看護師により病棟でも使われている「アネロイド型血圧計」を用いて, 麻酔直前の血圧を正確に測ります【写真1】。正常範囲内であったので次に麻酔の処置に入ります。いきなり針を刺すと痛みが強いので, まずは粘膜にゼリー状のもので麻酔をし,歯肉表面が痛みに対して鈍感状態になったことを確認してから, 浸潤麻酔を施しました 【写真2】
設備の整った外来診療とは異なる環境の下, ベッドは介護用ではないので倒せず急ぎ枕の上にバスタオルを巻きつけ頭の位置を微調整するなど汗だくになりながら, 慎重に歯を縦に分割し【写真3】歯根の尖端を破折することなく抜歯しました【写真4】。
抜歯後の消毒を行いましたが, 麻酔が覚めた後も特に痛みはなく, 消炎鎮痛剤も抜歯当日だけ服用されたとの事でした。
現在の抜歯窩は粘膜できれいに修復されており, 入れ歯の吸着もよく食事がしっかり摂れるようになりました。何よりも患者さまがとても喜んでおられ, その笑顔に在宅医療の醍醐味が瞬間的に感じられました。
「生きる力」は「食べる力」であり「食べること」は「生きる喜び」にもつながりますので, 今後も皆さまのお役に立てますよう, 当院スタッフ一同がんばりたいと思います。(2013年7月)
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口腔外科・学術講習会
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【口腔外科・学術講習会】
先日, 日本歯科大学附属病院における医療連携学術講習会に出席しました。
テーマは「口腔外科は地域医療のパートナー~役割分担で安心・安全な医療を~」等々, 准教授S先生による分かりやすい講演でした 【写真1】
私が本学在学中, S先生とは学籍番号が前後しており, 特に附属病院での1年間の臨床実習(登院)時には同じブロックでしたので, 瞬時楽しい思い出がたくさん蘇りました。努力家で人格的にもすばらしい出世頭のS先生の今後のご活躍を祈念します。
さて本学口腔外科は, 患者さまの約80%は紹介された方の治療に当たっているとのことなので「誰かいないかなぁ」と考えていたところ, 当院外来の60歳代女性の患者さま【写真2】が治療中であったので、早速S先生にご高診をお願いしました。
ご紹介した患者さまは, 何軒かの医院を受診され 平成25年2月頃から当院で継続的な治療を受けられており, 初診時に比べると口内の症状はだいぶ回復しました。
本件, ほほの粘膜に「扁平苔癬(へんぺいたいせん)」【写真3】の疑いがあり, 大学病院での治療となると「白板症(はくばんしょう)」等との鑑別を図るため, 病理組織検査(生検)が必要になるかもしれません。
後日の診断報告書に対応し, 当院でもしっかり治療していきたいと思います。(2013年7月)
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かみ合わせと動脈硬化との関係
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【かみ合わせと動脈硬化との関係】
奥歯のかみ合わせが悪いと、動脈硬化につながる可能性があることが、高齢者の健康長寿を研究している大阪大学や東京都健康長寿医療センターなどの医療チームの調査で示されました。
悪いかみ合わせは、あごの運動のバランスを崩し、筋肉に異常な緊張が生まれます。そしてその緊張の繰り返しにより、頭を支えている筋肉にも影響を及ぼし、約6Kgもある頭の位置がずれて、頸椎(けいつい)や脊柱のずれも生じます。その結果、様々な体のバランスが崩れトラブルも起きやすくなります。【左写真のクリックをお願います】
また、筋肉の緊張により血管も圧迫され血流も悪くなるので、治癒力や免疫・抵抗力も弱くなり、病気にかかりやすくなります。
かみ合わせが原因の1つでもある歯周病が、細菌感染や慢性炎症を通じて動脈硬化につながることを示す研究は過去にもありましたが、歯のかみ合わせ自体が、心筋梗塞や脳卒中につながる動脈硬化のリスクになることは今回初めて提示されました。
審美的な美しさだけではなく、健康的な口内環境を形成することはとても大切ですので、みなさん是非とも時間をお作りいただき、定期的な歯科健診を受けていただければ幸いです。
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